1/ 2
http://www.jcr.co.jp/
17- I- 0007 201 7 年 5 月 1 2 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
ス
ペ
イ
ン
王国
(証券コード:−)【据置】
外貨建長期発行体格付 AA
格付の見通し 安定的
自国通貨建長期発行体格付 AA
格付の見通し 安定的
■ 格付事由
(1) 格付は、比較的発展し多様性のある経済構造、経済構造改革の進展、ユーロ圏の堅固な支援体制などを 評価している。他方、格付は高水準の対外債務および政府債務、財政赤字の継続、さらには改善途上に あるものの脆弱な金融システムなどが制約要因となっている。格付の見通しは安定的。これまでに導入 された構造改革により財政や金融システムが改善しているほか、経済も内需を中心に成長を続けている。 輸出競争力の回復などから経常黒字が続いており、純対外債務残高も縮小に転じている。15 年 12 月の 総選挙や 16 年 6 月の再選挙後の政局の混迷から、16 年 10 月にようやく国民党による少数政権が成立し た。新政権は E U の財政ルールの遵守に向けて既に対策を講じており、外部環境に大きな変化がなけれ ば、経済成長の継続とともに財政赤字は縮小していくとみられる。
(2) 名目 GDP 約 1. 1 兆米ドル、人口 4, 600 万人を擁し、ユーロ圏では経済規模第 4 位の中核国。16 年の一人 当たり GDP(購買力平価)が 3. 6 万米ドルを超え経済は比較的発展している。産業構造も製造業や観光 などのサービス業を中心に多様化している。不動産バブルが崩壊する中、欧州債務危機の余波を受けて、 12年 7月にはユーロ圏諸国から欧州安定メカニズムを通じて銀行に対する金融支援を受けた。その後、 労働市場、財政、金融システムなど広範な構造改革が実施され、労働市場や金融システムの改善ととも に競争力が回復している。失業率は依然高いが雇用者の需要拡大によって 20%を下回った。足元経済成 長率はやや鈍っているものの、16 年は個人消費や投資など内需中心に 3.2%と高い成長となった。17 年、 18 年経済は物価が緩やかに上昇する中、引き続き内需を中心に2∼3%の成長が続くとみている。経常収 支は競争力回復や地理的分散による輸出の拡大から13 年から小幅な黒字を計上している。これによって、 純対外債務残高も 15 年末の GDP 比 91. 3%から 16 年末には同 85. 7%とさらに縮小している。
(3) 金融システムは、銀行再編基金を通じた公的資金注入、資産管理会社(SA RE B)への不良債権移管、銀 行のリストラ実施さらには銀行規制・監督強化などが奏功し改善傾向にある。銀行の不良債権比率は 16 年末には 9. 1%と 13年末の13.6%から低下傾向にあるほか、民間向け貸出残高の減少幅も緩やかに縮小 を続けている。住宅価格も上昇に転じている。銀行業績は収益力が低下しているが黒字を確保している ほか、資本基盤も強化されている。他方、国有化された銀行は未だ民営化途上にあるほか、資産管理会 社の資産売却も緩やかなペースで進められている。
(4) 一般政府財政収支(E SA 2010)は 12年には GDP比 10%を超える赤字を計上したが、財政改革の進展、 持続的な経済成長による税収増、さらには金利低下から 16 年には同 4. 5%(金融システム支援含む)ま で 縮 小 し た 。 一 般 政 府 債 務 残 高 ( E SA 2010) も 14 年 末 に は GDP 比 100% を 超 え た が 、 16 年 末 は 同 99. 4%に低下した。新政権は E U から求められているように 18 年までに財政赤字を GDP 比 3%以内にす る計画である。17 年予算では、法人税の非課税対象の厳格化、目的税率の引き上げ、さらには脱税対策 の強化などの財政健全化策の導入によって財政赤字を GDP 比 3. 1%まで引き下げる計画である。J C R で は 17 年の財政赤字は名目成長率が上昇する中、これら対策の効果などから縮小する公算が大きいとみて いる。政府の年間の資金調達は GDP 比 2 割を超え大きいが、償還期間の長期化などによりリファイナン スリスクも抑制されている。
2/ 2
http://www.jcr.co.jp/
■ 格付対象
発行体:スペイン王国(Kingdom of S pain) 【据置】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 AA 安定的
自国通貨建長期発行体格付 AA 安定的
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2017 年 5 月 9 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:増田 篤
主任格付アナリスト:内藤 寿彦
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp/ )の「格付関連情報」に「信用格付の
種類と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp/ )の「格付関連情報」に、
「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) スペイン王国(K ingdom of Spain)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が公表した経済・財政運営方針などに関する資料および説明
・ 経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計・報告
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
発行体または中立的な機関による対外公表という、当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情
報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付である場合を除き、依
頼に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評価に重要な影響を及
ぼす非公表情報を入手していない。
10.J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラス
に登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g- 7(a)
項に基づく開示の対象となる場合、当該開示は J C R のホームページ(http: / / www.jcr. co. jp/ en/ )に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■ 本件に関するお問い合わせ先